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転移学習とは?特徴やメリット、デメリット|ファインチューニングとの違いや活用方法まで徹底解説

2023.11.30

皆さんは転移学習というのをご存知でしょうか?

転移学習とは機械学習の手法の一つで、元々のモデルで学習した知識を別のモデルの学習に適用させる技術となっています。転移学習にはさまざまな特徴やメリットがありますが、デメリットがあるので注意が必要です。

転移学習を有効活用することでさまざまな分野で活躍していけるので、転移学習を活用する場面は多くあるのではないでしょうか。

それでは、転移学習とは何か、特徴やメリット、デメリット、ファインチューニングとの違いや活用方法についてご説明しましょう。

転移学習とは?

転移学習とは機械学習の手法の一つで、既存のモデルで学習した知識を使い回すことで機械学習にかかる時間を大幅に削減することができます。

一度学習した知識を使い回せるので、片方のモデルで培った知識を別の媒体に移すことで同じスペックにできるのが大きなポイントです。

転移学習を駆使することで時間やコストをかけずにさまざまな学習をさせることができるでしょう。

転移学習の特徴やメリット

転移学習の特徴やメリットは、以下の通りです。

それでは、転移学習の特徴やメリットについてご説明しましょう。

学習時間の大幅な短縮ができる

転移学習の最大のメリットと言えるのが、モデルが必要なデータを学習するための時間が大幅に短縮できることです。

基本的に同じ分野でさまざまなデータの学習を行ったモデルを活用して転移学習するため、次のモデルに転用することで一から学習する必要性がありません

従来の機械学習の場合、似たようなモデルであっても一から同じ学習を行わなければならず、必要なモデル数に応じて同じ分の学習時間と手間がかかっていました。これでは非常に効率が悪く、必要なモデル数の学習が完了するまでかなりの時間がかかるでしょう。

時間がかかるのはもちろん、計算システムのスペックに左右されることから、スペックが低いシステムだとさらに時間がかかります。

ですが、転移学習を活用することによって、同じ分野で学習した既存のモデルの学習パターンを転用することにより、少ない量のデータを追加するだけで高い精度が実現できます

一からデータ学習させる必要性がないため、効率良くデータ学習ができるのがポイントです。

応用範囲が広い

転移学習は応用範囲が広いのも大きなメリットです。

たとえば犬と猫で転移学習による画像認識を行う場合、2つのモデルに犬と猫の画像をそれぞれ識別させるため、犬と猫の画像データと正解ラベルのセットを大量に用意しなければなりません。

転移学習を活用すれば1つのモデルが学習した犬の種類判別のデータをもう1つのモデルに転用させ、少量の猫の画像データと正解ラベルのセットを追加するだけで効率良く学習できます。

ところが、転移学習の応用範囲は犬と猫だけに留まらないのがポイントです。

猫の種類判別だけでなく、家や車、人、物など、さまざまなカテゴリの物体識別に変換することもできます。その他にも画像処理や画像認識、自然言語処理、音声認識、音声生成技術など多種多様なジャンルにも活用できるため、AI活用の幅が一気に広がるでしょう。

精度向上や正則化効果が期待できる

転移学習は新しいタスクに対するモデルの精度向上に役立つメリットがあります。

学習済みのモデルが基本となる学習データを保有しているため、新しいデータを追加しても適切な特徴を的確に捉えて学習するため、過学習になるのを防ぐことができます。

学習するデータが限られていたり、ノイズが多いデータから必要なデータだけを自動抽出したりするため、効率良く転移学習ができるのがポイントです。

転移学習のデメリット

転移学習のデメリットは、以下の通りです。

それでは、転移学習のデメリットについてご説明しましょう。

データ間の関連性に左右される

転移学習は学習時間を大幅に削減できる非常に利便性が高いものですが、それはデータ間の関連性が高い場合に限った話です。

データ間の関連性が低い状態で転移学習を行うと、負の転移が起こる可能性があります。

負の転移とは、学習させたいデータのドメインが転移元のドメインと違った場合、データ間の関連性が低いことで転移学習がスムーズに進まない現象のことです。

スムーズに進まないだけで転移学習ができないわけではありませんが、後から負の転移が怒っていないか確認する必要性があります

未知の領域には使えない

転移学習はあくまで既存のモデルと親和性が高い画像認識や自然言語処理などの分野に効果的なので、未知の領域には対応しきれないでしょう。

転移学習を活用するために未知の領域に挑戦する場合、最初に学習済みのモデルを作成しなければなりません。最初の手間と時間さえかければどうにか活用できる可能性があるため、応用できる範囲が広げられるかもしれません。

ファインチューニングとの違いは?

転移学習と似たような手法として挙げられるのが、ファインチューニングです。

ファインチューニングとは学習済みのモデルの一部と、新たに追加したモデルの一部を活用して微調整を行う手法です。

機械学習を進める過程で、学習済みのモデルにはない分の新たな学習が必要なデータセットの方が多くなるケースがあります。もしもそのまま転移学習を行ってしまうと、既存のモデルと新たなモデルの両方で新たな学習が必要なデータセットを反映させなければなりません。

余計に手間と時間がかかってしまうので、転移学習ではなくファインチューニングが役立ちます

ファインチューニングによって1度解いた設問の解法を別の設問にも活用できるように微調整するため、モデル全体のデータをもう一度学習し直すことで汎用性が高められるのがポイントです。

ファインチューニングを活用することにより、転移学習では対応できない学習済みモデルの一部の層の重みを新しいデータに適応させることで、タスク固有の特徴を捉えることによって、既存モデルの精度を向上させることも可能です。

このように、転移学習とファインチューニングの使いどころを見極めていけば、効率良く機械学習ができるでしょう。

転移学習の活用方法

転移学習の活用方法は、以下の通りです。

それでは、転移学習の活用方法についてご説明しましょう。

画像認識

転移学習は画像認識を行う際に活用されています。

犬と猫で転移学習による画像認識を行った事例では、あるモデルに犬と猫の画像を識別させるため、犬と猫の画像データと正解ラベルのセットを大量に用意する必要性がありました。

本来であれば犬と猫でそれぞれの画像データと正解ラベルのセットを別々に大量に用意して学習させなければならないので、単純に2倍の作業時間と手間がかかります

しかし、転移学習を活用すれば、最初に学習させた犬の種類判別で得た知識を、猫の種類判別に使い回すことができます。もう一方のモデルに少量の猫の画像データを追加で学習させるだけで猫の種類判別ができるようになるので、作業時間と手間が大幅に削減できるのがポイントです。

このように学習時間の大幅な短縮ができるのが転移学習のポイントですが、その他にもさまざまな画像から読み取れる特徴の評価基準を設けることによって、すべての画像データから評価基準に基づいた特徴を自動抽出する際に転移学習が役立つこともあります

音声認識

自宅でスマートスピーカーを使っている人も多いかもしれませんが、スマートスピーカーのような音声認識システムにも転移学習が活用され始めています

活用事例として挙げられるのが、バーチャルキャラクターに自分好みの声で喋ってもらったり、男性の声を女性の声に変換したり、多種多様な声に変換したりすることです。

この変換作業は転移学習によって行われています。喋っている言葉自体は同じなので、後は好みの声、男性・女性の声、多種多様な声などのさまざまなパターンの声を少しだけ学習してもらうだけでいいので、学習時間の大幅な短縮になります。

主に音声認識との親和性が高いジャンルで活用されていますが、近年では音声生成技術にも応用され始めているのがポイントです。まだ研究開発段階ではありますが、転移学習を活用すればスムーズに音声生成ができるようになるでしょう。

自然言語処理

自然言語処理においても転移学習が非常に役立ちます。

たとえば英語とフランス語の文章をそれぞれ日本語に翻訳してもらう場合、先に英語の翻訳を学習させるために大量の英文と対応した和訳をセットで用意して学習させます。

本来であればフランス語も同様に大量のフランス語の文章とと対応した和訳をセットで用意して学習させる必要性がありますが、転移学習を活用すればフランス語の分まで用意する必要性がありません

何故なら、英文の翻訳と和訳を学習したモデルが持つ知識をフランス語の翻訳に転用できるからです。転移学習を活用する場合、少量のフランス語のデータセットを追加するだけでいいので、フランス語の学習時間を大幅に短縮できます。

もっと自然言語処理で転移学習を活用すれば、膨大な量の言語データを学習させることで、Q&Aや対話などさまざまな場面で言語処理ができるようになるでしょう。

まとめ

転移学習は複数のモデルのデータ間の関連性が高い場合に役立つ機械学習の方法です。

わざわざ一つのモデルに付きっきりでデータ学習をする場合だと時間も手間もかかってしまうので非効率的ですが、転移学習であれば既存のモデルの画像データを転用した上で少量のデータを追加するだけで完了します。

今後も転移学習に活用できる場面が増えることが予想されると言えるでしょう。

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