【超入門編】初心者にこそ伝えたい。今さら聞けない生成AI活用のいろは

INTERVIEW 009
MASAHIRO CHAEN
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ChatGPTに代表される生成AI。聞いたことはあるけれど、どう使えばよいのかわからないし、漠然と不安だ。そんな生成AI初心者の方にもわかりやすくAI情報を発信し、Twitter(現X)で8.9万人のフォロワーを抱える株式会社デジライズ 代表取締役の茶圓 将裕氏にお話を伺いました。茶圓氏は、生成AIに慣れていない初心者へのアドバイスとして、「何から始めるか、ではなく何も考えずにとにかく使うこと。使えば凄さがわかる」と語ります。生成AI活用を継続するためのポイントや入門編としてオススメのサービス、従業員への導入の進め方など幅広く解説していただきました。

ハンパない革命だと実感。外でお酒も飲まずにChatGPTを研究し続けた

ー茶圓さんはいつ頃からAIに触れてきたんですか?

幼少期からテクノロジーが大好きで、AIに触れ始めたのは5〜6年前です。2022年11月にChatGPTが登場して、Twitter(現X)で話題になっていたので試してみたら「これすごいわ!」とめちゃくちゃ感動したんです。それからの半年間はお酒も飲みに行かず、ひたすらパソコンと向き合い、研究していましたね。

感動したポイントとしては、これまでプログラミングコードを使ってシステムに指示する必要のあったことが、ChatGPTなら日本語をはじめとする人が話す言語でそれが可能になったことです。生成AIは、以前よりも高度なタスクを処理したり、多少雑なプロンプトを入力しても返してくれたりします。ユーザー・開発者の両方にとって非常に便利になって、これはハンパない革命だと思いますね。

ー生成AIの最も大きな特徴を、ユーザー目線で1つ挙げるとしたら何でしょうか?

特徴というよりは象徴的なツールという答えになってしまいますが、やはりChatGPTは別格ですね。大規模言語モデルを持つチャットベースのAIなわけですが、人が中にいるんじゃないかと思うくらい回答が自然ですし、私がいくら変な質問をしても、あるいは朝から晩まで24時間質問しても、即座に答えてくれます。これは本当に一番の驚きで、まるで身近にドラえもんのようなロボットがいるような感覚で、とても恩恵を受けています。

「何から始めるか」ではなく、「何も考えずに」始めよう

ー生成AIに慣れていない初心者は不安や難しさを感じると思うのですが、ファーストステップとしては何から始めるとよいのでしょうか?

何も考えずにとにかく使うことです。「プライバシーが心配」というのはいったん横に置いてください。使えば凄さがわかります。何も考えずに「Don’t think, just do.」って感じです。ただ、使うメリットがないと継続して使い続けるのは難しいので、仕事に活かす方法や、モチベーションアップにつながる目標設定など、自分のスタイルに合った使い方を模索することが大切ですね。

ー初心者向けの活用方法としては、どのようなアイデアが挙げられますか?

まずはストレートに、文書や画像、動画などのコンテンツ作成が簡単になります。例えば、記事をゼロから書く場合、リサーチをしてアウトラインを作るのに数時間かかるはずのところ、生成AIを使えば数分で完了するので、文章作成が非常に楽になります。

仕事以外では「今日のご飯何にしようか」と迷ったときなどに、生成AIにアドバイスを求めることができます。例えば「昨日はあっさり系を食べたので、今日はこってり系がいい。何かおすすめは?」といった具体的な質問をすると、役立つ答えを返してくれます。生成AIは日常の相談役としても使えますね。

ーたくさんの生成AIサービスがありますが、入門編としてオススメのサービスを教えてください。

まず王道としてChatGPTですね。多くのサービスがChatGPTをベースに開発されているので、そこから始めるとよいと思います。画像生成の分野だと「Midjourney」や「Stable Diffusion」がオーソドックスな選択肢ですね。ChatGPTとMidjourneyが使えれば、ある程度のことはできるようになりますよ。

ー生成AIを利用する企業も増えていますが、経営者はどのように導入を進めていけばよいでしょうか?

ツールをいきなり導入しても従業員は使い方を理解できないと思うので、まずは導入の意義と目的を明確にし、その結果として得られるプラスのイメージをしっかり持たせる必要があります。AIは今後もますます普及していくので、「使えないと本当に遅れをとるよ」と健全な危機感を持たせつつ、使い方を説明すると、比較的すんなりと導入できるのではないでしょうか。

AIを使える能力は前提の世の中へ。生成AIはあなたの世界を広げてくれる

ー未来予測も含めた生成AIの可能性については、どのようにお考えでしょうか?

短期・中期的に見ると、仕事をする人が減ると思います。従来10人で行っていた仕事を1人で対応可能になり、AIを活用できない人は相対的に不利になる可能性があります。人材市場においては今後、AIを使える能力が前提となってくるでしょう。

長期で見れば、人々が働かなくてもよい環境になっているかもしれません。その未来では、みんなが毎日サウナに行って、ととのっている日常が来ると思います。笑

ー最後に、生成AIを使いこなしたいと考えている初心者の方へのメッセージをお願いします。

最初は難しいと感じるかもしれませんが、使えば使うほど慣れてくるので、まずはいったん何も考えずに試してください。結果が出ると楽しくなってくるし、しばらく使っていると「もっと使ってやろう」とやる気も出てきます。そうなれば他の生成AIサービスも調べたくなると思います。

生成AIをマスターすればめちゃくちゃ世界が広がりますし、仕事の生産性も劇的に上がるし、新しいアイデアもバンバン湧いてきます。だから、めげずに、諦めずに、挑戦し続けてください。

PROFILE

MASAHIRO CHAEN

一般社団法人生成AI活用普及協会 協議員/株式会社デジライズ 代表取締役
学生時代に英語圏での1年間の留学後、上海に渡り動画求人サイトの事業で起業。帰国後は日本初世界のAIツールを検索サービス「AI Database」や社内秘書AIアシスタント「Knowledge AI」、著名人向けAI LINE Bot制作「Star AI」などAI関連サービスを次々とリリース。現在はTwitter等でAI情報発信を行い、AI専門家としてTBSテレビやABEMAにも複数回出演。(Twitterフォロワーは8.9万人)GMO AI & Web3株式会社 顧問、生成AI活用普及協会 協議員も兼任。